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爽快倶楽部編集部


2014..10.1
本当の味方、本当の敵(3)
この10年間で中国は急速な経済成長を果たし、今や米国に続いて世界第二位の経済大国となった。大方の予想では、中国は、そう遠くない未来に米国を凌いで世界一の経済大国になるともいわれる。そうなれば、世界第一の軍事大国となる可能性がある。共産党一党独裁の政治体制にある国が、軍事大国になることは、実に恐ろしいことである。
それはさておき、戦後、中国の経済発展において日本の担った役割は決して少なくない。
1970年代、新日鉄をはじめ日本の製鉄各社は中国に対して中国の製鉄所建設に積極的に協力した。その結果、現在の世界の鉄鋼生産高は、1位のアルセロール・ミッタル ルクセンブルグ(9720万トン)は別として、中国は2位の河北鋼鉄集団(4440万トン)、3位に宝鋼集団(4330万トン)、さらに5位の武漢鋼鉄集団(3770万トン)となり、中国の3社合計では世界第一位の生産高になっている。ちなみに日本の新日本製鐵では3340万トンである。鉄鋼生産の増大が、中国経済発展の基礎となったことは疑いない。また、繊維製品や電気・電子製品分野においても多くの日本企業が中国企業に技術移転をしてきた。今や世界中で、メイド・イン・チャイナではない製品を探すことはむずかしい。これらの多くの分野で、日本が中国へ技術供与し、その経済発展を支えてきたといっても過言ではない。この状況は現代でも続いている。例えば、日本の自動車や鉄鋼メーカーが、現地生産を見込んで独自技術の中国への移転をはかりつつある。これにより一時的には中国の市場に進出できようが、やがて他の工業製品と同様に、中国はその技術を身につけ、世界第一位の自動車生産国になると推測にかたくない。
何故、日本の企業は競争相手の国へ技術を流出させるのか。かって日本の産業界は、情において国家の礎たる鉄鋼の技術を中国に供与した。そして今、世界第一位の自動車産業の根本技術を、目先の利益に惑わされてわたそうとしている。日本は技術立国である。その技術を死守することは、産業界のみならず、国家の使命である。
敵が我々内部にも存在する。




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