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爽快倶楽部編集部


国家の主権
2012.9.1
自分は今年で62歳になる。自分が老人であるとの自覚がない。心に思い描くことは、少年のような稚拙なことばかりである。

最近、思い立って数学の本を図書館から借りてきた。高校時代に学んだことがある微積分の本である。借りた動機は幼稚なものである。少年時代から物理が好きだった。特に宇宙に関する一般向けの本を多数読んだ。それらに書かれていたことのほとんどがアインシュタインの一般相対性理論を解説していた。いわゆる宇宙方程式である。それを理解し、解くためには数学の力が必要となる。リーマン幾何学というようだが、そこに行き着くためには行列、ベクトル、テンソルに関する知識が必要となり、それらの基本となる微積分の考え方がわからなければ一歩も前に進めないように思えた。さらに深く進もうとすれば量子力学や熱力学の理解も必要となってくる。要するに何から始めればいいのかわからないが、ともあれ、まずは微積分を理解する必要があると思える。

まあ、専門家からすれば、こいつは、いったい何を云っているのだろうかと馬鹿にされるとは思うが、まずは第一歩としての微積分を学んでみたいと思っている。

もちろん、これが何の役に立つかと云われれば、恐らくは単なる趣味、あるいは頭の体操だとしか答えることができない。

記憶力、理解力とも相当鈍ってきてはいるが、じっくりと読んでいるとなんとなくわかってくるような気がしている。生きている間に、自力で宇宙方程式の理解へたどりつけるかどうかはわからない。だが、それはそれとして見果てぬ夢を、見ていたいのである。

自分は、一生、少年の心を持っていたいと思っている。
少年、老い易く、学成り難しと云うが、心は老いぬものと信じている。
編集主幹 伊藤秀雄




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