TOP>コラム


爽快倶楽部編集部


国のかたち
201.6.1
素朴な疑問を持っている。日本の政治を見る限り、立法を含めて行政の実権は官僚にあるように見える。立法、行政は選挙によって選出された議員によって行われるべきものである。もちろん、現在の国のしくみの中ではそうなっている。国会において法律が議論、採決され、行政府においては国会議員が大臣、政務官をつとめる。形はそのとおりである。だが、これによって議員が立法、行政を行っているとは、ほとんどの国民が思っていない。実際は立法、行政とも官僚が行っていると考えている。が、国民は行政を官僚に、あるいは役所に委託したことは一度もない。
官僚の抵抗とよくいわれる。これは、政府や国会による立法、行政の意向に対して省庁の官僚が異をとなえ、その命に服さないことである。
アメリカの官僚機構を考えてみる。アメリカには、基本的にノンキャリア職員、被任命官僚であるPolitical Appointee(PA)、キャリア職員のGS(一般職General Schedule)の3種類がある。日本の中央省庁高級官僚にあたるのはPAである。彼らは、大統領や大統領の所属政党によって採用され、日本における局長クラス以上の地位を持つ。約3000のポストがあり、この行政の中心たる高級官僚は、大統領の交代のたびに変わり、その時の大統領、選出政党の意のままに働く。もちろん、その下の役人はこのPAの命に従う。したがって、時の政権の意をくまない高級官僚は原則として存在しない。日本とは大きな違いがある。
今、日本は未曾有の少子高齢化、財政危機、長期の景気停滞、昨年の東北大震災、福島原発事故、さらに今後起きるであろう大地震の脅威の真っ只中にある。かっての自民党政権、そして民主党政権、それを担ってきた官僚機構は、こうした危機の中で機能してきただろうか。
まずは、政権は高級官僚の任命制を導入し人事権を持たねばならない。現政権は、少なくとも官僚を意のままに動かしてはいない。その逆で、官僚の意のままに動かされている。政権は国会議事堂や官邸になく霞ヶ関の省庁にある。この国の形を根本から変える、それが今問われている。官僚諸君が行政を意にままに動かしたいのなら政治家になればよいのである。これを為しうる政治家はどこにいるだろうか。
編集主幹 伊藤秀雄




TOP>コラム



Copyright 爽快倶楽部