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爽快倶楽部編集部


平成23年8月1日
直ちには
この国の政府は、何故真実を隠すのだろう。福島原発事故が発生して以来、政府は、その放射能汚染について、直ちには健康に被害を与えるレベルではないと言ってきた。確かにそのとおりである。この点において直ちに重篤な健康被害あるいは死亡した国民はいない。が、この直ちには・・・ないというのは、将来・・・もないとは同義でない。政府は、将来、どんなことが起きる可能性があるのか国民に明らかにすべきである。そもそも放射線被爆において、それが即死レベルあるいは数週間で死亡するレベルの高濃度であるということは、原子炉内部か、ごく近くで作業する人間以外はありえない。問題は、低レベルであっても、数キロ、数十キロ、数百キロ離れた地域に住む国民にいかなる影響を与えるかであり、その健康被害の可能性を国民に伝えるべきである。さらに、それにもとづいて、低レベル被曝の可能性がある地域のに関する汚染マップの作成である。これが未だに政府からは発表されていない。
確かに、、管轄省庁によって農産物、水産物、水道、土壌についての汚染数値が政府から出てくるようになってきた。しかし、それぞれの発表は、個別に行われており、放射能被曝として最も重要な総被曝量として把握されていない。人は、空気を吸い、水を飲み、米、野菜、魚、肉を食べる。問題は、人が生活するにおける総被曝量である。
この予想される被爆値において、安全かどうかを判断すべきである。国民の健康を守る、これか国家の安全保障の第一である。
事故状況においては、全電源喪失が起きた時点で少なくとも24時間以内にメルトダウンを起こし、その結果、水素爆発を起こすことは原発設計者、研究者において常識であり、実際、米国政府は原発は事故後非常な高温となっていることを航空機調査で知り、日本に滞在する米国人に対して80キロ圏外に退避勧告をすることを検討したという。この事実もまた、隠されていた。こうした事実が発表されたのは、事故後、およそ一ヶ月経てからである。少なくとも、官邸、関係省庁、機関はそうした事実全てを知っていたはずであり、知っていながらその事実を隠したことになる。また、水素爆発を予測した時点で、放射性物質がどの方向に飛散するか、風向きデータを持っていたはずであり、それにより、爆発前に経産省はバス会社が数十台のバスを周辺住民避難用として現地周辺に向かわせたという報道もある。こうした事実は、まったく発表されることはなかった。
さらに水素爆発後、風下に当たる地域の住民に対して明確な被曝対策を行うことはなく、その結果、多くの子供たちが甲状腺被曝を受けていることは、報道に新しい。政府は、このことにおいても、起こりうるガン発生の可能性について言及していない。
こうした事が、日本政府が行ってきたことである。何故なのか。官邸、内閣官房は全てを掌握しながらも、何らかの理由で情報を隠しているとは考えにくい。それならば、被曝限度や被曝調査において各省庁が、これほどまでにばらばらの情報を出すわけはない。考えられることは、各省庁の調整機関としての内閣官房がまったく機能してないということだと思われる。民主党内閣となって自民党時代の事務次官会議が廃止されたが、その官僚政治という弊害はあったにしろ、省庁間の意志統一は行われており、それより各省庁の縦割り行政は、今よりは是正されていたことは否定できない。
今回の震災、そして原発事故のような未曾有の国家的危機において、事務次官会議において状況を把握し、それにより対策を一元的に立案、実行すべきであると思う。
爽快倶楽部 編集長 伊藤秀雄




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