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爽快倶楽部編集部


平成23年6月1日
パンドラの箱
東北大震災で、我々は想像を超えた出来事を目にした。津波であり、原発事故である。津波は、かって我々が経験したことがない強大な地殻変動エネルギーによって起こされた。巨大な波が堤防や護岸を乗り越え街に流れ込み、家、車、船、そして人々までも押し流した。古書に、同様の津波の発生が書かれていたという。一部の地震学者はそれを指摘し警鐘を鳴らしたが、それ聞く者はいなかった。わずかであるが、祖先の言葉に従い高台に集落を移した村には、被害がなかったと聞く。
福島原発では地震によって冷却配管が破損し、炉心への冷却水を送るポンプが津波によって働かなくなった。それにより燃料棒が溶融し水素爆発を誘起した。その結果、大量の放射性物質が大気中に拡散した。一部の原発専門家の指摘では、溶融した燃料が圧力容器をを溶かし、さらに格納容器をも溶かして土台であるコンクリートにも達している可能性があるという。
この事故の収束作業は困難を極めている。今、人は、溶融した燃料の温度を下げるために、莫大な量の水を掛け続けている。水は高濃度放射能汚染水として原発地下にたまり、一部は地下にしみ込み、海に流れ出ている。止水、溶融燃料の安定的封印、そのために、これから、どれほどの時間が必要なのか、どれほどの犠牲を払わねばならないのか、未知の問題である。また、拡散を続ける放射性物質が、人にどのような健康的被害を与えるのか、それも未知の問題である。
パンドラの箱が開いた。箱の中から未曾有の災害が飛び出してきた。パンドラの箱を開けたのは、神だろうか。
神は、つねにパンドラの箱を人間の前に置いている。
爽快倶楽部 編集長 伊藤秀雄




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