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爽快倶楽部編集部


平成23年5月1日
天災・人災
自然災害、人は常にそれと向き合ってきたことは歴史が証言するところである。地震、津波、台風、洪水、火山噴火、猛暑、水不足、冷害、疫病など、自然の猛威の下で人は生きてきた。そうした災害があるたびに、人は身を守るための方策を行ってきた。それらは時に成功し、失敗した。例えば川の氾濫は田畑を流し、家や人を流した。人は川の流れを変え堤防を築いた。が、それも予想を超えた土石流に決壊し多くの被害を出した。その度に、人は己の無力を思い知らされた。やがて、人は自然の猛威に立ち向かうことよりも、猛威にさらされない方法を選ぶ知恵を身につけるようになった。これが言い伝えとなり、古老の教えとなった。
現代科学は多くの自然現象を分析的に解き明かすようになってきている。が、その科学をよく見れば、どれひとつ完全なものはない。宇宙の構造、物質の本質、生命、地球の活動、天候、地震、火山活動など、それらを完全に理解したと云えようか。科学とは、未だ、それだけのものである。自然の脅威は天災として人に降る。その脅威を軽んずるところに人災が降る。云いかえれば、科学のおごりが人災を生む。
今、人は古老の教えに耳を傾けているだろうか。
爽快倶楽部 編集長 伊藤秀雄




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