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爽快倶楽部編集部


平成22年1月1日
年頭言
新年明けましておめでとうございます。

2009年は、戦後日本にとって有意義な年となったと思う。戦後の、そのほとんどを担ってきた自民党政権が野党によって覆され、およそ大きな変化をあまり望まない国民によって新たな政権が生みだされたことである。かって一時期、自民党に変わり他の党が政権の座についたことがあった。が、それは一時的な政治手法の結果としてであり、その政権の未熟性により長く続くことはなかった。もちろんこの新政権にも未熟さは目立つ。さらに、その未熟な新政権にのしかかる過去長期にわたる自民党政権時代の澱の払拭において呆然と立ち尽くす観も見える。それは時が解決するであろう。

およそ半世紀を越えて一つの党が政権を担うことは、民主主義国家として異常な事態であった。その状況を作り上げたのは、紛れもなく戦後世界の基本的図式に基づく保守対革新の対立軸であった。共産主義か資本主義か、社会主義か自由主義かの選択において国民の多数は資本主義、自由主愚を選んできた。その2軸構造も既にソビエト連邦の崩壊によって瞬時に意味を失った。今、日本を含め世界で示されているのは保守と保守との新たな対立軸である。現実にこの政権交代を可能にした鳩山政権においてさへ、政権指導部中枢は、かっての自民党保守勢力によって占めらており、それ故にこそ、国民は、もう一つの保守として政権交代を選択したのである。

今、この状況下において、野に下った自民党の責任は思い。いかに実績のある党といえども政権に永くあれば、その礎は知らぬうちに腐る。その腐った礎を見直し、新たな政権可能な政党として再生するこそ求められる。
国民は、現民主党を中心とする連立政権を唯一の政権党とは決してみなしていない。その政治政策が国民生活にとって脅威となるとき、再び新たな政権交代を望むだろう。世界が変わり、国が変わるとき、政党もまた大きく変わらねばならない。自民党は旧態依然の内政、外交を大きく見直すべきである。それなくしては、その再生はない。戦後復興を成し遂げ、世界に冠たる日本つくり上げた自民党に、それは決して不可能なことではない。

今、ようやく日本に民主主義が始まりつつある。
爽快倶楽部 編集長 伊藤秀雄




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