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爽快倶楽部編集部


平成21年8月1日
何が終わり、何が始まろうとしているのか
日本の政治が変わろうとしている。戦後、わずかな時期を除いて一貫して責任政党として政権の座にあった自民党がその座を追われようとしている。これは端的に云えば、歴史的必然である。
第二次大戦後、敗戦国のみならず戦勝国にとっても戦後は存在した。日独伊三国同盟国に対して戦勝した連合国はヤルタ会談以後、米国、ソビエト連邦を中心として戦後世界構造を形成した。その世界構造の中、保守合同によって設立された自民党は、米国のアジア戦略の一環として生まれ、その役割は米国のアジア経営の橋頭堡であり、ソビエト、中国などの社会主義国への政治的、軍事的障壁の担い手であった。
自民党が形成した政権は、米国の軍事的、経済的援助によって、戦前の官僚制度をそのまま引継ぎ、敗戦という政治混乱を切り抜け、一方で驚くべき迅速さで経済復興を達成した。占領軍が日本政府の戦前の内務官僚の採用を容認し、また戦後の政治の第一線に出ることを容認したのは、日本の国内安定のためのひとつの統治的手法であった。これは、まさに米国が、中国、朝鮮半島、北海道を隔てて接するソビエト連邦に対する軍事的・経済的障壁の形成を急いだことによる。
今世紀末、ソビエト連邦は崩壊し、中国は経済資本主義として世界経済圏に加わり、米国がかって必要とした日本政府の本来の役割はなくなった。今、あるのは中東安定軍事行動のための後方支援と日本海を挟んで存在する北朝鮮への軍事的圧力のための米軍基地を日本国内に置くことである。米国は一貫して戦後日本に対して軍事的、経済的、外交的従属を強いてきた。その状況は今も変わらない。かって、田中政権が独自外交として日中国交を実現したとき、米国の意思として、田中角栄を排除したことは記憶に新しい。
今、自民党に変わって民主党が政権を担おうとしているが、これに対して米国から大きな干渉はない。米国の容認と云える。米国にとっては、自民党、民主党ともに軍事・外交戦略に大きな変化はないのであれば、どちらでもいいということであろう。歴代自民党政権と官僚が積み重ねてきた莫大な国家赤字が米国の今後の極東戦略にプラスにならないという判断であろう。この意味で自民党のかって担ってきた歴史的役割は終わったと云える。
民主党政権が誕生する、これは歴史の必然である。これからの日本は政権交代を繰り返しながら進んでいく。米国がそれを望んでいる。我らは、このことにこそ気付かねばならない。新しい米国の世界戦略の一貫としての政権交代である。この重みを、民主党の諸君、自民党の諸君もともに考えねばならぬときである。
ともあれ、日本にとっての戦後は、今まさに、これで終わるのかもしれない。
爽快倶楽部 編集長 伊藤秀雄




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