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爽快倶楽部編集部


平成21年4月1日
人がいない
公設秘書が起訴された民主党代表の小沢氏、麻生政権の支持率低下で次期総選挙ではと民主党内部においても政権交代への期待が高まっていたが、ここにきて大きく後退したようである。小沢氏本人に対する事情聴取もなく、その犯罪事実は公判を待たねばならぬが、およそ政治家たるもの、禍の芽はあらかじめ摘んでおく必要があろう。一方、自民党の二階経済産業大臣の同様の献金疑惑、政府与党議員かつ現職大臣の職務権限という観点からすれば、小沢氏以上にその疑惑は深かろう。
考えてみればこの二人、かっては自民党旧田中派出身であり、いわば金権政治の渦中から育ってきた議員である。ロッキード、リクルート、金丸献金事件と金と政治がからんだ事件はそれほど古い事件ではない。その影の部分がいまだに続いてきたとも思える。

さて、これらの疑惑はいずれ明らかにされよう。確かに検察が常に正義とは限らない。それは多くの冤罪事件が証明している通りである。さらにこの事件捜査手法において、多くの検察OBからも疑義が出ているように、これを以て即座に犯罪と決め付けることはこの疑惑を抱かれている両者に酷ともなろう。実際、同様なことが多くの国会議員においては公然の秘密ともなっている。が、冤罪か否かに限らず、李下に冠をたださずという言葉にある通り、先ずは各人ともその職を辞任して然るべきとも思える。そこでである、二階氏はいざ知らず、小沢氏においては、その後継たる人材を党内に見出せないのは余りに情けない。確かに、小沢氏は選挙巧者である。が、選挙はただその戦術の巧みさによるだけではあるまい。有権者はその党の品性を問うことも決して少なくはない。

自民党にしても民主党にしても、人がいない。日本の政治はあまりに貧しい。
爽快倶楽部 編集長 伊藤秀雄




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