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爽快倶楽部編集部


平成20年5月1日
百姓と胡麻の油は絞れば絞るほど出てくる。
 百姓と胡麻の油は絞れば絞るほど出てくる、と言ったのは江戸のある幕閣だった。封建制の時代はさておき、今や平成の時代となって高齢者にとってまさにその通りのことが行われている。介護保険しかり、後期高齢者医療制度しかりである。お上は、75歳以上の高齢者を後期高齢者と名づけ、その名称に反発が出るやいなや長寿医療制度と言い換えた。すべては高齢者の皆さまの為という。確かに少子高齢化現象により、若い人々の保険料だけでは高齢者の医療費をまかなうことは困難に違いない。現在の高齢者は戦前、戦後の混乱期を生き、わが国の復興の功あった人々である。その現役時代においては、自らが保険料を納付しその時の高齢者を支えてきた。そうした高齢者のわずかな年金から有無をいわせずの保険料の天引きを始めた。 高齢者と胡麻の油は絞れば絞るほど出てくると思っているようである。資産を持ち、あるいは子供たちの裕福な稼ぎで悠々と暮らしている高齢者はまだ支払いの余裕があるとしても、国民年金のわずかな給付金で暮らし、生活保護ぎりぎりの暮らしを強いられている高齢者所帯からも天引きをする、これほど過酷な施政はなかろう。
 後期高齢者医療制度に関する法律を作った内閣はかの小泉内閣である。彼は痛みをともなう改革をいった。国民は、バブル崩壊以降の長く続く不景気や金融不安の解決策ととしてその改革を受け入れてきた。また、景気上昇のためのゼロ金利政策を忍耐してきた。バブル経済以前は、ある程度の預金を持っていればその金利が生活の足しとなった。が、今は、預金を取り崩しせねば暮らしていけぬ状況である。その状況にしてこの医療費の天引きである。また、昨年から多くの生活物資の値上がりが続いている。これもまた年金生活者の生活を困窮させている。
 一方、行政機関による無駄遣い、天下りの構造は相変わらず存続し、なんらの行政改革の成果は見られない。小泉−安部−福田内閣と続く政府の改革とは、役人の役人による役人のための改革であったに過ぎない。まず絞らねばならぬのは行政による無駄遣いである。同時に、もっとも必要とされるのは道路特定財源や特別会計などにみられる税の使い道の適正化である。百姓と胡麻の油は絞れば絞るほど出てくる。が、これ以上絞れば出てくるのは。まさに血税という名そのものの国民の血となろう。
 もはや、改革という言葉にだまされる者は誰もいまい。 
爽快倶楽部編集長 伊藤秀雄




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