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爽快倶楽部編集部


平成19年10月1日
福田新内閣に求む
1年で崩壊した安倍内閣を継いで福田新内閣がスタートした。かっての小泉内閣に比して安倍内閣の凋落ぶりはあまりに壮絶であった。その責の一端は当然安倍内閣にあったが、それ以上に前小泉内閣の責はあまりに大きいと言わざるを得ない。では、君はかっての小泉改革を否定するのかと問われるかもしれない。それには、あえて否定すると答えたい。この否定こそ、自民党が真に再生できるかどうかに関わってくると考えるからだ。仮に次期政権を民主党が取ることになるにせよ、自民党なくしては政権交代可能な健全な議会制民主主義は維持できないと思う。この意味で自民党の再生は非常に重要である。

さて、小泉政権は改革なくして成長なしとその政策を展開した。様々な規制緩和、不良債権処理のための金融再編、道路公団、郵政公社の民営化、三位一体改革による地方自治体の統廃合などである。これらは一見、バブル崩壊以降の停滞していた経済の景気回復に寄与したように見える。実際企業会計において、この数年間を見る限りにおいてはその通りである。だが、視点を変えてみれば企業の増益、国家予算歳入の増加に対して国民の所得は上がってこなかった。現在でもむしろ、実質所得は下がりつつあるのが現状である。小泉政権の経済政策全般を立案したのが財界主導の経済財政諮問会議であることを考えれば、この結果は当然のことと言えば当然である。ここには勤労者、中小、零細商工業者、農家、漁業者、年金生活者の視点が完全に抜け落ちている。小泉前首相は痛みをともなう改革と言った。国民もその意味を知らないわけではない。だが、その先には豊かな安心できる暮らしが待っているという期待があればこその痛みへの理解であったはずだ。現実はどうか、多くの国民が収入が増えぬまま、市民税、区民税、国民健康保険料、介護保険料の増額、年金保険料の支給額削減、支給年齢の延期、ゼロ低金利政策による利息収入の低下など、政策のすべてが国民生活を追い詰める結果となっている。労働市場においても企業収益を優先させた派遣業種の拡大による賃金低下を招いている。国際経済を見れば、原油価格の高騰によって石油価格の高騰、各種輸入穀物の高騰がさらに国民生活をさらに追い詰めることは必至である。

小泉政治が行った構造改革とは、国民不在の行財政改革であり、それは従来の自民党以上の政・財・官のための改革である。今、この流れにこそ楔を打ち込まなければならない。先の参院選で国民が突きつけた真の民意とはこのことである。ここに福田新内閣が気がつかなければ、彼の内閣ををもって自民党政権は終焉する。
爽快倶楽部編集長 伊藤秀雄




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