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爽快倶楽部編集部


平成17年5月1日
郵政民営化問題の根底にあるもの
 現小泉内閣は構造改革の本丸は郵政民営化だという。果たしてその目的は何であり、その手段としての郵政民営化は有効なのであろうか。

郵貯資金の運用状況
●種目別資産残高(平成17年2月末)
(単位 : 億円、%)
区分 資産残高 構成割合
有価証券 1,265,271 58.2
国債 1,065,122 49.0
地方債 94,275 4.3
社債 74,814 3.4
うち公庫公団債等 45,724 2.1
外国債 31,058 1.4
金銭の信託 34,569 1.6
貸付金 35,677 1.6
地方公共団体貸付 27,928 1.3
預金者貸付等 4,798 0.2
郵便業務への融通 2,950 0.1
預金等 30,142 1.4
預託金 808,500 37.2
合計 2,174,160 100.0
右表は平成17年度の郵政公社の資金運用状況を郵貯及び簡保で示したものである。この内、国債、地方債、地方公共団体貸付金、公庫公団債をまとめると次のようになる。

国債 郵貯口 1,065,122
簡保口 851,834
小計 1,916,956
地方債 郵貯口 94,273
簡保口 69,318
小計 163,591
地方公共団体貸付 郵貯口 27,928
簡保口 196,367
小計 224,295
公庫公団公債等 郵貯口 45,724
簡保口 24,059
小計 69,783
公庫公団等貸付 簡保口 24,059
総合計 2,398,684
簡易保険 (平成17年2月末)
区分 資産残高(億円) 構成割合(%)
 有価証券 851,834 70.9
国債 567,831 47.3
地方債 69,318 5.8
社債等 199,039 16.6
うち公庫公団債等 168,621 14.0
外国債 15,644 1.3
 金銭の信託 90,136 7.5
 貸付金  243,377 20.3
地方公共団体貸付 196,367 16.3
公庫公団等貸付 24,059 2.0
保険契約者貸付 21,140 1.8
郵便業務への融通 1,809 0.2
 預金等 16,022 1.3
合        計 1,201,370 100.0

単純に云うと、政府、政府関連公庫、公団、特殊法人、地方公共団体に債権、貸付金としておよそ240兆円の金が流れていることになる。更に単純化すると次のようになる。

190兆円
地方公共団体 39兆円
公庫公団等 9兆円

これは、国民が郵政公社に預けている金をそれぞれに預託或いは貸付しているのであるから、国、地方公共団体、或いは公庫公団にとっては、いつかは償還又は返済しなければならない借金である。
今、国の国債発行残高はおよそ700兆円に達している。700兆円も借金をしている国が郵政公社に対してこれを償還することができるであろうか。地方公共団体及び、公庫公団も同様である。誰の目にも明らかなように、その償還、返済には再び借金をするという自転車操業の他手立てがないように見える。一般庶民の家庭で考えるならば、まさに自己破産状況に等しい。郵政公社にとってみれば、最大の不良債権だともいえる。
この原因は云うまでもなく、借金に借金を重ねた行政の野放図な金の使い方にある。それ故、郵政民営化の最大の目的は資金源としての郵政公社と政府、公共団体、公庫・公団などの関係を絶ち切ることにある、ということになっている。もし、これを完全絶ち切ったとすれば、何が起きるのであろうか。恐らく、国、及び地方公務員の半減、各公庫公団の解散は否めないであろう。勿論、それができると云うのであれば、それに越したことはない。果たしてできるのであろうか。少なくともそう云う声は聞こえてこない。
 確かに、郵政民営化は健全財政の再構築にとって有効な手段の一つかも知れない。だが、それ以上に重要なのは、郵政の資金を際限なく使ってきた国や、地方公共団体の改革である。予算を作成し、実行する行政は同時に予算財源を確保する立法能力を保持している。国会は行政が作成した予算案を可決するだけであり。その政治機能からは行政の改革は望めない。
 今、自民党がこの郵政民営化で大きく揺れているが、この問題に言及する政治家は誰もいない。又、野党からもこの問題に真っ向から取り組む姿勢が見えない。郵政民営化の陰に隠れた本質を見誤ってはならない。一体、いつまで禁治産者と同様の行政に国の予算を任せておくのか、これこそが最大の問題であろう。
 我々はこの問題を決して軽視はできない。何故なら、これらの借金すべては、結局は我々の税金から返さねばならないからである。問題は深く、難しい。
編集子




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