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爽快倶楽部編集部


平成17年4月1日
戦争と平和
 戦後60年、日本は幸いにもいかなる国との間に戦争を行うことがなかった。この間、世界では数多くの戦争、内乱があったことは周知の事実である。日本の周辺で起きた戦争として朝鮮戦争、インドシナ戦争、ベトナム戦争があるが、そのどの戦争にも直接的に関与することがなかった。又、記憶に新しい湾岸戦争、イラク戦争においても、一方の戦争当事者である米軍の後方支援をすることがあっても実際に戦闘行為をすることがなかった。そしてその敵対国から攻撃を受けることがなかった。
 日本は、日米安保条約成立以前は占領軍としての米軍により、以後は条約に基づく駐留米軍により国家防衛の本義とすることを基本政策としてきた。それは、とりも直さず、日本国憲法第九条に明文されている「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」という規定によるものである。
 今、日本は戦後初めて極東地域の緊張関係の中に当事者の一人として巻き込まれようとしている。それは中国の対台湾政策のあり方であり、北朝鮮の対米政策のあり方である。この二国は共に核兵器を持ち、核弾頭と積載できる大陸間断道ミサイルを持っている。その標的がどこに向けられているのかはわからない。ある人は米国の主要都市であると云い、ある人は極東地域の駐留米軍だと云うが、どこかに向いていることは間違いがないであろう。戦後世界は、皮肉にも核という抑止力によって世界的安定を維持されてきた。この人類が生み出した最悪の兵器、核兵器が戦争のための抑止力でとどまるという保証はどこにもない。その事実は長崎、広島において被爆した日本国民が知っている。
 かかる極東情勢下にあって、わが国の防衛はいかにあるべきなのであろうか。防衛問題を論ずるにあたって最初に言っておかねばならないことがある。それは、仮定の問題には答えられないという論である。この考えは本質的に防衛を論ずる意味をなさない。何故なら防衛とは、すべて他国からの攻撃という仮定の上に存するからだ。防衛とは、自国を他国からの攻撃から守ることであり、他国の攻撃は、その行為が起きて初めて判明するのであり、その攻撃により致命的な損害を受けてしまっては防衛とは云えない。又、戦後における戦争責任論が往々にして、防衛論を無力化して来たことを云っておかなければならない。防衛論とは、他国に対する侵略戦争行為とは、全く切り離して考える必要があり、ある意味で純粋な戦略、戦術であり、一種の技術論であり、憲法第九条を切り離して考えねばならない。何故なら国家が国家の主権者である国民を守ることができなければ、その憲法は国民のための憲法とは云えないからだ。
 こうした前提の上に今後の防衛論を考えると、何等かの国際政治情勢の下において、米国が中国または北朝鮮と戦闘状態に入った場合、これらの国が、その攻撃兵器として通常兵器又は核弾頭を使用するか、さらに攻撃目標を米国本土であるか極東地域における米国の戦略基地にするかを別にして、攻撃する可能性がゼロとは云えない。日本には日米安全保障条約に基づきいくつかの米軍戦略基地が置かれている。もし、これらの基地が攻撃されるならば、我々日本国民もその攻撃にさらされることになる。基地自体をはじめ、その周辺に被害をもたらし、仮にその攻撃が核弾頭によるものであれば、その被害は想像を絶するであろう。
 今、日本は、その防衛において米国の軍事力と一体であることを認識する必要がある。米軍が極東地域で何等かの戦闘行為を行うことは、日本の戦闘行為と同等である。従って、第一に日本を基点とする米軍の戦闘行為を阻止する、第二に国内の米軍基地が攻撃を受けた場合、米軍とともにその防衛に当る、第3に日米安保条約を破棄し国内の米軍基地を持たないという選択枝がある。一を除き、第二、第三はともに防衛活動のための軍事的技術論と云える。即ち、敵の通常ミサイルや核弾頭ミサイルを発射と同時に捕捉し着弾以前に破壊する能力、敵が国土に上陸をせんとした時の撃退能力が求められる。これらの点において、日本の防衛は全くの無力と云ってよい現在、我々の目の前で起きようしている危機は、かってのベトナム戦争や湾岸戦争、昨年のイラク戦争のような対岸の火事では決してない。
 誰も戦争を望む者はいない。だが、歴史が書きとめてきたのは戦争の歴史である。21世紀に出現する新たな危機の前に、我々はいかに考え、いかに為すのかが問われていると云える。そして、国の防衛のあり方を決めるにあったてより大きな声となるのは、我々中高年世代ではあるまいか。
編集子




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