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爽快倶楽部編集部


平成16年12月8日
イラク自衛隊派遣延長について
 ジェンキンス氏が晴れて脱走の罪から解放されて曽我さん家族と共に佐渡へ帰るという報道を聞きながら、かって池波正太郎が鬼平に、人は良いことをしながら悪いことをし、悪いことをしながら良いことをすると語らせていたの思い出した。本来なら重罪として罰するであろうジェンキンス氏の罪を、曽我さん家族、そして曽我さん家族を見つめる日本国民の心情を慮っての処置は、厳格な法治国家と言われる米国としては、粋な計らいというべきであろう。その米国が、テロリストの根絶とは言え、イラク、ファルージャの町を多くの民間人を巻き込みながら破壊しつくしている。人の命の重さを考える時、個人と国家ではこれほどまでに違うのかと思うこと、然りである。
 思えば、12月8日は、「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申上げます。大本営陸海軍部午前6時発表。帝国陸海軍部隊は本八日未明、西太平洋においてアメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり。」という言葉とともに、8月15日と並んで戦前派の方たちには決して忘れることができない日である。この日を境にして、多くの日本国民が僅か一銭五厘の召集令状によって戦地に赴き、傷つき倒れて行く。その数、およそ三百万人。日本にとってこれほど命の重さが軽かったことはない。今、国の命を受けて、自衛隊がイラクに復興支援の名の下に派遣されている。12月中旬の派遣延長の是非について、そこが戦闘地域か、非戦闘地域かの議論が続いているようだが、現地にある自衛隊の諸君の命の重さを考えているのかどうか聞こえてこない。自衛隊という職業と雖も、日本国民としての命の重さには変わりがないはずである。どうも、日本と言う国は、明治以来、兵の命の重さを軽くみるきらいがあるように思える。自衛隊諸君に関する臨時ニュースがないことを祈るのみである。
編集子




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